まにまに音楽生活

よくある音楽、本、生活などについてのブログです。

ベストアルバム2014 (1位)

■第1位

銀杏BOYZ / 光のなかに立っていてね

 

くだらない自分語りを許していただきたい。例えば、「数字と横文字の組み合わせは、もうウンザリ」、あるいは、「ブルハの劣化コピーは、クソ」。12、3年くらい前でしょうか、バンド練習の帰りに立ち寄る喫茶店やハンバーガー店での話題は決まって音楽のことでしたが、ある時期、僕らはひたすら"青春パンク"と呼ばれた一群のバンドの悪口をいっていました。僕らの口汚い口撃の対象となっていたバンドは数知れないですが、どうやらそのほとんどは今ではいなくなってしまったようです。無数の屍たち。…当たり前ですよね、青春なんだから。

 

この文章も含め、銀杏BOYZの9年ぶりの新作をめぐる話は、そのほとんどが多かれ少なかれ自分語りを含まずにはいられないようです。これら自分語りの山に隠れて見えづらくなっているようにも思えますが、この作品のクオリティは高い、ということはまず指摘しておかなければなりません。皆が嫌がるノイズもそう大したものではない、というか必然しかない(いま、この国について何かしら音像化するならば、直截すぎるとはいえ、ノイズはほとんど必然です。潔癖すぎる音像で、イノセンスを標榜する方がよっぽど歪んでいる。世界は終わらないから、続いてしまうから、ノイズにまみれざるをえない)。ノイズとボアダムスとAKBとチープなシンセとインチキなラップと古谷実とアニソンと震災と血と精液と四畳半フォークと孤独と涙と鼻水と絶望、妄想その他のあまりにも膨大な要素。それらを全てぶち込んで、音楽にして吐き出す。こんなことは峯田和伸にしかできないし、そりゃ誰もついてこれるわけがない。9年かけただけあって、凄まじいクオリティだと思いますし、絶対に現代のこの国でしか生まれ得ない、そして誰も真似できない完全にオリジナルな音楽です。

 

しかしながら、そう、しかしながら、こういった作品そのもののクオリティ(の話)は、この作品をめぐる、おびただしい数の自分語りが存在する、というその事実に、決して敵わないと思います。もはや音楽的クオリティの問題じゃない。それってどうなのかという気もします。けれど、際どいですが敢えて言うと、だからこそこの作品は素晴らいし、唯一無二なのだと思います。

 

青春の終わり。銀杏BOYZが9年ぶりの新作で、結果的に描いてしまったものは、そういうものであったと思います。青春には終わりがある。それは美しくもドラマチックでもなんでもなく、知らない間になくなっていたり、可燃ゴミや粗大ゴミで捨てられたりするような、しょうもなくて孤独なものです。無数の屍たち。ここまで来れたのは峯田和伸だけでした。銀杏BOYZは、峯田和伸だけは、やはり"青春パンク"バンドだったのです。

 

 

✴︎✴︎✴︎

 

最後に、2014年最も音楽に心を動かされたのは、笑っていいともにおいて、小沢健二が「さよならなんて云えないよ」を歌った瞬間でした。いつか終わる青春についての、強い肯定。

 

それではよいお年を。